第25回大倉山秋の芸術祭参加企画/幕末の漂流民が体験したアメリカ
第25回大倉山秋の芸術祭参加企画
幕末の漂流民が体験したアメリカ
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講 師:茂住實男 (大倉精神文化研究所所長)
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日 時:平成21年(2009)11月5日(木)
今年は横浜開港150周年ですが、開港の少し前、まだわが国が鎖国をしていた時代に船で漂流し、アメリカを体験した者たちがいます。もっともよく知られているのはジョン万次郎こと中浜万次郎ですが、このたび取り上げるのは、万次郎より10年ほど後(嘉永3年、1850)に漂流した栄力丸(えいりきまる)の乗組員たちです。
栄力丸の漂流民たちはアメリカという異文化に接しているうちに、異文化に積極的に同化していく者や、異文化を政治的・軍事的な観点から見る者、近代的技術を観察し見よう見まねで学び取る者、異国の権威を笠に着る者、異国の地に足を踏み入れたことで極端に幕府を恐れる者など、それぞれが異なった反応を示すようになります。漂流民たちの様々な反応は個性によるものなのか、あるいは漂流中に置かれた環境によるものなのか。
漂流記などを通して彼らのアメリカ体験に迫り、異文化体験とは何かを考えます。