平成28年 大倉山講演会 ~実業家の社会貢献とその理念~
平成28年 大倉山講演会
実業家の社会貢献とその理念
大倉精神文化研究所を創立した大倉邦彦は、紙問屋を経営する実業家でした。大倉は、自分は何のために生きているのか、何のためにお金を儲けるのか、儲けたお金をどのように使うべきかを真剣に考えました。そのたどり着いた答えが教育事業や精神文化事業でした。大倉は、これを天から与えられた自らの使命と考え、精神文化事業を通して、社会を良くしたいと考えました。
今日、海外企業からの影響で、企業のフィランソロピー(慈善活動、社会貢献活動)やメセナ(文化支援活動)などの必要性が叫ばれていますが、日本国内にも古くから神道、儒教、仏教等の教えから派生した社会貢献活動の考えがあり、江戸時代には石門心学に代表される町人道徳も形成されていました。
近代日本の実業家の中には、国内外の思想的背景を元に、様々な社会貢献活動を展開した人物が数多くあげられます。その中には、大倉のように会社経営と社会貢献活動を分けて考えた経営者と、会社経営そのものを社会貢献と考えた経営者がいました。
今回の大倉山講演会では、企業経営で成功しただけでなく、社会貢献活動においても活躍した実業家を取り上げ、それらの人々が、いかなる社会貢献を、どのような思想、理念に基づき実践したのかを学ぶことといたしました。