第●回大倉山講演会 「鶴見川流域の自然と沿線住民の暮らし-鶴見川と生きる:防災から共生へ-」
平成16年度「港北の自然と文化」/第3回
鶴見川流域の自然と沿線住民の暮らし-鶴見川と生きる:防災から共生へ-
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講 師:岸由二(慶應義塾大学)
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日 時:平成16年(2004)7月17日(土)
鶴見川は豪雨が来襲すれば氾濫を繰りかえす暴れ川でしたが、平時には豊かな自然を支えて人々に幸いをもたらす地域の川でもありました。しかし1960年代以降の高度成長を経て、流域の急激な都市化で自然のにぎわいは一気に後退し、洪水と汚染ばかりが話題となる典型的な都市河川となりました。
1980年代に入って危機に歯止めがかかります。総合治水対策が進み、下水道整備で水質も改善されて魚たちのにぎわいも戻ってきました。防災一色の住民意識にゆとりも生まれ、治水と同時に自然回復や流域文化の育成を焦点とする新しい市民活動も始まりました。新世紀に入り、市民、企業、自治体連携による「鶴見川流域水マスタープラン」の試みも進んでいます。防災から共生へ。自然と共存する流域文化の創造をめざし、鶴見川への私たちのまなざしは、新しい転換の時代を迎えつつあります。