第●回大倉山講演会 「身近な自然~里山と私たちの暮らし」
平成16年度「港北の自然と文化」/第5回
身近な自然~里山と私たちの暮らし
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講 師:吉武美保子(よこはま里山研究所)
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日 時:平成16年(2004)10月16日(土)
朧月夜、夏は来ぬ、虫のこえ、紅葉、冬景色。ふと口ずさむ歌は、各々の懐かしい風景を心に蘇らせます。
港北区も、かつてはこれらの歌詞のような景色が広がっていました。私たちの身近な自然環境である「里山」そのものだったのです。
里山の環境は、農業と密接な関係にあります。横浜の開港にともない、養蚕が盛んとなり、市街地との距離も近いことから、すでに都市農業の片鱗が表れていました。戦後、市街化の波とエネルギー革命によって農地や山林は宅地へとかわり、現在の港北区の緑被率は約28%です。
私たちが何気なく日々を暮らしていても、その時代に翻弄される「業」があり、環境があり、小さな生命があります。かろうじて残された里山のかけらを紹介しつつ、身近な自然とのかかわりについて考えます。