第●回大倉山講演会/神祇氏族の古伝承-「古語拾遺」の魅力-
平成19年度「日本古典に親しむ」/第5回
神祇氏族の古伝承-「古語拾遺」の魅力-
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講 師:土肥誠(國學院大學)
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日 時:平成20年(2008)2月16日(土)
平安時代初期につくられた『古語拾遺』は、神祇氏族の斎部広成の撰になるものです。「古語に遺りたるを拾ふ」という趣旨で執筆された同書は、『古事記』や『日本書紀』などに見られない伝承や記事を含む貴重なものです。
古くより神祇祭祀は忌部(斎部)・中臣の両氏が預かってきました。ところが、しだいに藤原氏の一族である中臣氏が政治的権力を背景として専横を極めるようになり、斎部氏はその職から排除されるようになりました。『古語拾遺』には、その間の事情や忌部氏に伝わる独自の古伝承が興味深く記されています。
『古語拾遺』という書物を通じて、神道の古い伝承を読み解いていく楽しみを実感していただきたいと思います。