第●回大倉山講演会/『風土記』読み歩きの魅力
平成20年度「日本古典に親しむ」/第1回
『風土記』読み歩きの魅力
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講 師:飯泉健司(埼玉大学)
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日 時:平成20年(2008)4月19日(土)
「風土記」は、奈良時代に編まれた書物です。「古事記」や「日本書紀」には見られない伝承が多く載っています。我慢比べする神々、遠くから国を引っ張ってきた神、奢ったために零落した農民、朝まで愛し合い松になった恋人...など、バラエティあふれる神や人が登場します。
これらの話は、その土地ならではの風土と深く関わって成り立っています。古代の人は、山や川、海をキャンパスにして壮大かつ面白くロマンチックな話を作り上げました。風景を視野に入れることによって、文字面だけでは見えてこない伝承の裏側や本当の意味が見えてきます。風土を基に「風土記」伝承を読み解き、さらに伝承地を廻り歩く楽しみについて、お話しさせていただきます。