第●回大倉山講演会/夏目漱石と大倉書店-『吾輩ハ猫デアル』等の出版をめぐって-
平成20年度「横浜錦絵からオールド・ノリタケへ」/第3回
夏目漱石と大倉書店-『吾輩ハ猫デアル』等の出版をめぐって-
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講 師:岩切信一郎(東京文化短期大学)
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日 時:平成20年(2008)12月20日(土)
夏目漱石は大倉書店から、橋口五葉の装幀による『吾輩ハ猫デアル』、『漾虚集』、『行人』等の主著を出版しています。これらは小説としても名作ですが、造本、装幀においても名品として知られています。では、大倉書店とはどのような出版社だったのでしょうか。漱石が、これらの著作を、あえて大倉書店から出版したのはなぜでしょうか。漱石が大倉書店に求めたものは何だったのでしょうか。
また、当初『吾輩ハ猫デアル』等は大倉書店と服部書店との共同出版でしたが、それはなぜでしょうか。そして服部書店は後に手を引くことになりますが、それはなぜでしょうか。
『吾輩ハ猫デアル』が上中下の三冊で出版されたのはなぜでしょうか。
このような様々な問題について、残されたこれらの「本」を通して検討してみようと思います。そして、夏目漱石にとって「出版」とは何だったのかを考えてみます。