第●回大倉山講演会/オールド・ノリタケの美しさ-美の創造者大倉孫兵衛-
平成20年度「横浜錦絵からオールド・ノリタケへ」/第5回
オールド・ノリタケの美しさ-美の創造者大倉孫兵衛-
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講 師:井谷善惠(多摩大学)
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日 時:平成21年(2009)2月21日(土)
大倉孫兵衛は、明治9年頃森村組(明治37年日本陶器合名会社設立、現ノリタケカンパニーリミテド)に参加し、創立者森村市左衛門と共に日本の近代輸出磁器業の発展に寄与しました。
孫兵衛が主体的に関わったオールド・ノリタケと呼ばれる明治期以降の輸出磁器は、近年、公立の美術館でも数々の展覧会が催され、近代美術工芸の至宝としての評価を受けるようになりました。
大倉孫兵衛の長男和親は、日本陶器、大倉陶園、伊奈製陶、東洋陶器設立等にも深く関わりました。森村組の最大の絵付工場の親方河原徳立の子百木三郎は、孫兵衛の娘と結婚します。その子春夫は、デザイナーとして大倉陶園を代表する名品の数々を生み出し、後に大倉陶園の社長となります。
まさに大倉孫兵衛こそ、日本の近代陶磁器業の父といえるでしょう。孫兵衛の足跡と彼の周りの人々の業績をたどることで、彼がいかに品格のある作品を世に出したか、そしてその美を国内外の多くの人々に知ってもらいたいと願ったかを語りたいと思います。