第●回大倉山講演会/日本からの手紙-米国青年の幕末日本渡航記より-
平成22年「幕末・明治の異文化体験」/第2回
日本からの手紙-米国青年の幕末日本渡航記より-
-
講 師:高橋俊明(日本英学史学会会員)
-
日 時:平成22年(2010)4月17日(土)
1867年12月(慶応3年11月)、当時19歳のアメリカ人の青年が、単身サンフランシスコを出航、開通したばかりの太平洋横断航路を利用して日本へ渡航し、横浜、鎌倉、江戸を見物します。丹念に旅行記を書き綴って、ニューヨークに住む家族への便りとしますが、それがやがて当時の米国の有力雑誌に連載されます。
この青年は、年末年始の行事をはじめとして、日本独特の風俗習慣に接することになりますが、当時の日本は物情騒然たる幕末で、ある時はこの異国の若者の身辺にも危険が迫ります。
太平洋横断も日本見物もすべて初めての経験ですが、若者らしい率直な感想がユーモアをまじえて書き綴られます。若者なりの異文化の評価が、その渡航記の中に自然に表明されていることが、興味深く観察されます。好奇心にあふれて冒険に挑む若者の異文化体験記の一端をご紹介したいと思います。