第●回大倉山講演会/明治9年の文部省留学生-穂積陳重の渡英日記から-
平成22年「幕末・明治の異文化体験」/第4回
明治9年の文部省留学生-穂積陳重の渡英日記から-
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講 師:伊村元道(元玉川大学教授)
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日 時:平成22年(2010)6月19日(土)
穂積陳重(ほづみ・のぶしげ、1855-1926年)という人をご存知でしょうか。東京大学の前身である東京開成学校の第2回留学生として、イギリス・ドイツに5年間留学、帰国後は20代で東大教授・法学部長となり、明治の末年に退官するまで東大法学部の発展のために尽力した人です。
本日はご案内のテーマのもとに、穗積の留学時代を中心に、今回の共通テーマである異文化体験についてお話ししようと思います。
まず最初に彼の生涯のあらましをお話しします。次に留学期間中の動向を少し詳しく追ってみます。最後に、彼の異文化体験の中から、当時はまだ珍しかったエレベーターや、ロンドンの地下鉄、スモッグといった風物面と、精神面として西洋人の夫婦関係、親子関係について彼の受けたカルチャー・ショックの記述を読んでみることにしましょう。