第●回大倉山講演会/文芸作品に表れた横浜の近代-北村初雄のハイカラー
平成26年「文芸作品に表れた近代化」/第2回
文芸作品に表れた横浜の近代-北村初雄のハイカラ-
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講 師:笠原實(横浜シニア大学講 師)
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日 時:平成26年(2014)4月19日(土)
「わが日の本は島国よ」で始まる横浜市歌は、明治42年(1909年)に横浜開港50年を記念してつくられました。作詞森林太郎(鴎外)・作曲南能衛であることもよく知られ、親しまれています。歌詞は七音と五音で整えられ、完全ではありませんが文語定型詩として受け止められています。
明治時代は近代文学の形成と展開の時代と言われています。その特色の一つに、かつてと言えば漢詩を指していたものから、西欧の詩にならって新しい詩が誕生し、「新体詩」と呼ばれ、文学の中心を占めるようになったことが挙げられます。森林太郎はその先鞭をつけ、発展に寄与しています。
大正時代に入り、近代文学は成熟と国際化を迎えます。横浜に育った詩人北村初雄は、この時期に活躍しました。「ハイカラ」は現在セピア色した言葉ですが、当時は風土にあった目新しく先進的といった意味もあったかと思われます。北村初雄の詩をとおして、このあたりを確かめてみたいと考えています。