第●回大倉山講演会/大原孫三郎の社会文化貢献-大隈重信著『東西文明之調和』の実践-
平成28年「実業家の社会貢献とその理念」/第4回
大原孫三郎の社会文化貢献-大隈重信著『東西文明之調和』の実践-
-
講 師:兼田麗子(桜美林大学准教授)
-
日 時:平成28年(2016)6月18日(土) 14時~15時30分
-
会 場:横浜市大倉山記念館 ホール
-
定 員:80名(入場無料、予約なし、当日先着順)
江戸時代の天保年間に生まれた福澤諭吉(ふくざわゆきち)と大隈重信(おおくましげのぶ)は、それぞれ比較文明論を書いています(『文明論之概略』と『東西文明之調和』)。福澤は主として東洋文明を西洋文明より劣るものとして捉えました。一方の大隈は、東洋文明の中にも世界的普遍的な要素が存在するはずだと考え、それ(西洋的な要素と一致するもの)を見出そうと努めました。大隈のように、日本の進むべき方向性を探る中で東西文明の調和を目指した人物は、程度こそ違え、他にも存在していたはずです。
クラボウやクラレ等の企業の基礎を築き、大原美術館の創立者として知られる、大原孫三郎もその一人です。大原孫三郎は、大隈の創設した東京専門学校(現早稲田大学)を退学した後、聖書と報徳記などから体得した精神で社会をより善くするための活動を生涯にわたって実践し続けました。今回は、このような実業家、大原の倉敷・岡山などの地域を中心とした社会文化貢献と背後にあった思想についてお話しさせて頂きます。