【新着図書より】10月上旬のおすすめ
- 2022.10.01
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- 新着本
10月上旬公開の新着図書より、おすすめの5冊をご紹介します。
1 『歴史を動かした重要文書 -ハムラビ法典から宇宙の地図まで-』 ピーター・スノウ, アン・マクミラン 著 (209-ス)
世界中の国立公文書館、博物館、図書館、個人のコレクションから集められた政治、軍事、芸術、科学の各分野における歴史的に特に重要な50の文書(ドキュメント)について、歴史的位置づけや意義、後世への影響などを解説しています。最古の文明の文字から貴重な手稿、聖典、スピーチ原稿や協定書、論文、日記、アイデアのメモやスケッチ、これらがすべて図版で掲載され、青銅器時代から21世紀までの世界の文字の旅を体験できます。48番目の文書として取り上げられたのは「ウッドストックフェスティバルのチケット」!
2 『江戸文化いろはにほへと -粋と芸と食と俗を知る愉しみ-』 越後屋助七 著 (382.1-エ)
江戸の香りを今に伝える浅草の老舗どぜう屋が30年余にわたって開催してきた講演サロン「江戸文化道場」。200回を超えるその中から選りすぐりの江戸噺をまとめた一冊です。各界の第一人者に聞いた江戸文化のあれこれ、一話一話が粋な味わいを伝えます。ちなみに、「道場」と名付けたのは、「どじょう屋」だからだそう。巻末では日本橋界隈、浅草界隈、向島界隈など江戸各所の老舗、名店が、江戸時代から続く「駒形どぜう」の六代目である著者の視点で紹介されています。手描きの地図付き。
3 『近代別荘建築 -歴史を繋ぐ建物とその物語-』 十代田朗 監修 (527.7-ソ)
日本の別荘・別邸のルーツは平安貴族の別業(なりどころ)にまで遡ります。本書では、古くからの伝統的な別荘文化と明治維新後移入された西洋由来のリゾート文化が融合して形作られた別荘・別邸を「近代別荘」と定義して、その建築物としての魅力だけでなく、そこで過ごした人びとの物語をインタビュ-とともに紹介しています。別荘という非日常の空間と、そこに流れる特別な"ひととき"の物語。また、こうした別荘建築の保存や活用に尽力する人びとの思いも知ることができます。全75邸を収録、そのうちの21邸が神奈川県内に所在する別荘です。
4 『図説 中世ヨーロッパの商人』 菊池雄太 編著 (672.3-キ)
商人の先駆けとされる北欧のヴァイキングから、ビザンツ商人、イスラーム商人、ユダヤ商人、中世後期のハンザ交易、南方の地中海交易まで、才覚と技術とネットワークでヨーロッパを切り拓いてきた中世の商人たちの多様な営みを解説しています。徒弟の修行、危険に満ちた旅路、商っていた多彩な商品など、豊富なカラー図版を使って具体的に描かれ、生活感のある実像を知ることができます。図版を見るだけでも楽しい「ふくろうの本」シリーズです。
5 『洛中洛外をゆく』 葉室麟 [著] (910.268-ハ)
葉室麟(1951-2017)は、50歳で作家としてスタートし、歴史小説、時代小説で数々の賞を受賞、今も読者を魅了し続けています。本書では、作家自身が自著を紐解き、主人公に託した想いや、創作のなかでたどり着いた珠玉の人生論を語っています。書籍初収録の澤田瞳子や東山彰良等との対談も併載。小説ゆかりの京都名所案内ともなっている味わい深い一冊です。