【新着図書より】8月上旬のおすすめ
- 2024.08.01
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- 新着本
8月上旬公開の新着図書より、おすすめの4冊をご紹介します。
1 『見ることの塩 上・下』 四方田犬彦 著 (請求記号:292.7-ヨ-1,2)
イスラエル/パレスチナでは何が起きているのか? テルアヴィヴからエルサレム、そして「壁」を越えパレスチナへ──街を歩き、対話を重ね、土地の日常から現代のアポリアを凝視する。下巻では、紛争終結から数年後の旧ユーゴ諸国へ。宗教や民族の虚構性を看過し、世界の矛盾を凝視する苦悩と思索。珠玉の紀行文学。
2 『道と日本史』 金田章裕 著 (請求記号:682.1-キ)
日本の道はかくも変転した! 律令国家が作った古代の直線道。藤原仲麻呂の逃亡ルートとは。耕やされ、家が建ち、削られていく京都の大路。34回にわたった後白河法皇の熊野詣。京鎌倉往還の旅人が見た尾張の農村風景――。面白エピソード満載の、「道」から読む日本史。
3 『「戯画図巻」の世界 競う神仏、遊ぶ賢人』 齋藤真麻里 編 (請求記号:721.4-サ)
銃を撃つ観音菩薩、一寸法師に追われる弁慶、腕相撲する法然と日蓮......。江戸時代前期、狩野派の絵師たちの手で描かれた絵巻「戯画図巻」。別名「異代同戯図」の名の通り、神仏、鳥獣、歴史上の人物による、諧謔に満ちたコラボレーションが繰り広げられる。なぜ描かれたのか。そして、何を意味するのか。文学、美術、歴史のスペシャリストが集い、その謎を解明する。初公開を含む、4本の全図をフルカラーで収録。
4 『ゆうびんの父』 門井慶喜 著 (請求記号:913.6-カ)
郵便制度の祖と呼ばれ、現在では一円切手の肖像にもなっている前島密。だが彼は士農工商の身分制度の影響が色濃く残る時代にあって、代々の幕臣でも薩長土肥の藩士出身でもなく農家の生まれだった。生後すぐに父を亡くし、後ろ盾が何もない。誰より勉強をしても、旅をしていくら見聞を広めても、なかなか世に出ることができなかった。そんな苦悩を乗り越え、前島は道をどう切り開いたのか。そして、誰もが想いを届けられる仕組みをいかにしてつくったのか。挫折の数だけ人は強くなれる―一枚の紙片が世界につながる、「ゆうびん」を生んだ男の物語。