【図書館の本棚から】司書のおすすめ
- 2022.06.21
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『タゴールの生涯』 クリシュナ・クリパラーニ 著 森本達雄 訳 (請求記号:929.8-ク-1,2) 
インドの詩人「タゴール」の伝記です。
著者のクリパラーニは「タゴール学園」の一教師であり、タゴールの義孫です。彼は「タゴール学園」のあるシャンティニケターンで詩人タゴールの晩年を共に過ごしました。
幼年時代のタゴール、イギリスの統治下にあったインド社会との関わり、ガンディーをはじめとする知識人たちとの交流、ノーベル賞受賞、日本への思いなど、著者の目を通した詩聖タゴールの人間性や生き方が極めて客観的に綴られています。
しかしながら、そこにある著者とタゴールの間にある尊敬や共感は、読む側にも波となって心を満たしてくれるようで、読みながら、自分自身も詩人の近くに存在し、その心に触れているような感覚です。
詩人の文学と生涯を振り返りながら、豊かな心に感動する、素晴らしい伝記です!