第158回 ゆるゆると、ゆるキャラ -その2-
- 2012.02.01
文章の一部を参照・引用される場合は、『わがまち港北2』(『わがまち港北』出版グループ、2014年4月)を確認の上、その書誌情報を典拠として示すようお願いいたします。
前回、横浜F・マリノスのキャラクターを紹介しましたが、サッカーといえば、日本サッカー協会のシンボルマークは八咫烏(やたがらす)ですが、師岡(もろおか)熊野神社も古来より八咫烏(やたがらす)を社紋としています。その上、平成14年(2002年)日韓共催ワールドカップの決勝戦会場となった日産スタジアムにもほど近いことから、近年はサッカー神社としても親しまれ、チームの必勝と選手の健康を祈ってサッカー関係者がお参りすることも多いようです。この師岡熊野神社のお守りには、八咫烏を描いた日本サッカー協会公認エンブレム柄のお守りと、同じく日本サッカー協会公認マスコットの「カラッペ」(兄)と「カララ」(弟)を描いたお守りがあります。
神社といえば、昨年11月25日に本殿遷座祭(ほんでんせんざさい)が行われた菊名神社のお守りには、「がまんさま」のかわいいイラストが描かれています。「がまんさま」とは、鳥居をくぐって左手にある手水鉢(ちょうずばち)を支えている4体の石像です。長い年月苦難に耐えて、飽きることなく手水鉢を支えている、そのがまん強い姿が根気と忍耐の象徴とされています。
綱島商店街連合会のエコタウンつなしまキャラクター「つなぴちちゃん」は、平成13年(2001年)に綱島温泉のお湯で孵化(ふか)した生後3ヵ月の小鳥です。「つなぴち」の「ぴち」は、好物のピーチ(綱島の桃)から名付けられたものです。「つなぴちちゃん」は、箒(ほうき)を持って忙しく掃除をしているのですが、加盟店のポイントシールにもなって活躍しています。小机商店街の「こづくん」は、シンボルマークですからキャラクターといえるのか微妙ですが、「こづくんスタンプ」というスタンプサービスをしています。
さて、昨年11月に開催された、ゆるキャラグランプリ2011では、全国から349のゆるキャラがエントリーしました。神奈川県からは、4キャラがエントリーし、厚木市の「あゆコロちゃん」(27位)に続いて、高田(たかた)地区マスコットキャラクター「たかたん」が181位に入りました。「たかたん」は、平成22年(2010年)11月から始めたイラスト案募集に応募した152作品の中から選ばれたもので、発案者は志村晴江さんです。昨年5月22日に高田中学校で開催された高田町連合町内会主催「第3回たかたの丘音楽祭」でお披露目されました。「たかたん」は、高田地区生まれの妖精で、頭と体で漢字の「高田」を表しています。元気で明るく、音楽を聴くとのりのりになっちゃうお調子者ですが、岩手県の陸前高田市(りくぜんたかたし)へ被災地支援活動ボランティアに駆けつけ、子供たちと遊ぶ、優しい心と行動力を持っています。
港北土木事務所のキャラクターは、工事用ヘルメットをかぶった「どぼくねこ」です。普段は、猫でも安心して歩ける道づくりのために管内をパトロールしていますが、土木事務所のイベントでも活躍しています。どぼくねこは、区役所のホームページからぬり絵をダウンロードできます。
港北図書館には、「としょんぼ」「てんてん」「カブック」がいます。開館30周年記念として、イラストレーターの「もりはなこ」さんが3匹のキャラを描き、名前は募集により決まりました。トンボの「としょんぼ」は、図書館とトンボを合わせた名前です。不思議に思うことがいっぱいで、性格は「しっかりや」です。テントウムシの「てんてん」は、イタズラ好きで、知りたがりやです。「カブック」は、カブトムシとブック(本)を合わせた名前です。探しものが得意で「がんばりや」です。3匹は、イベント案内や参加記念品など、館内各所に出没しています。
ちなみに、神奈川県図書館協会の『神図協会報』No.232には、2010年6月現在で、加盟128図書館の内44館が独自のマスコットキャラクターを持っているとの調査結果があります。
師岡町(もろおかちょう)のトレッサ横浜には、ライオンの「とれおん」がいます。「とれおん」はツイッターも使いこなす進化形のゆるキャラです。
さて、前回紹介した『横浜ウォーカー』2011No.20には、「着ぐるみキャラも多い横浜はキャラクターのワンダーランド!」と記されていました。ゆるキャラは、デザインと名前だけで完成するものではありません。キャラクターの性格付けを明確にしていくと愛着が増しますし、イベント等に着ぐるみで現れると、子供にも大人にも大人気です。港北区外なのですが、筆者のお気に入りは、源氏物語千年紀in湖都大津のマスコットキャラクター「おおつ光ルくん」です。公式ホームページにある、着ぐるみの取扱い説明書がとっても愉快です。
多くのゆるキャラが、港北区をよりいっそう元気にしてくれることを願っています。
記:平井 誠二(大倉精神文化研究所研究部長)
(2012年2月号)