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大倉精神文化研究所

横浜市港北区地域の研究

第24回 港北図書館って...!

2000.12.01

文章の一部を参照・引用される場合は、『わがまち港北』(『わがまち港北』出版グループ、2009年7月)を確認の上、その書誌情報を典拠として示すようお願いいたします。


この連載も、今回で丸2年になります。そこで、ちょっとネタばらしをしますと、まずテーマに取り上げた場所の現地調査をするのは当然なのですが、それに加えて、記事に必要な資料やデータの多くは横浜市港北図書館2階の郷土資料コーナーで集めています。ここは、宝の宝庫で、何度行ってもその都度新たな発見があります。

さて、2年間通い詰めて気がついたのですが、郷土資料コーナーには、港北図書館自体が作った本がたくさん並んでいるのです。図書館って、市販の本を買って並べるだけのところかと思っていたら違うんですね。そこで調べてみました。

平成12年(2000)現在、市立図書館は全部で18館あります。中央図書館は別格で、なんと大正10年(1921)に開館していますが、その他の図書館は昭和49年(1974)以降に順次造られたものです。港北図書館は7番目の図書館として昭和55年(1980)8月27日に開館しており、平成12年でちょうど20周年になりました。ちなみに、建物は元の港北区役所を使っています。

この各市立図書館が編著者となって刊行した図書類を、インターネットを使い蔵書検索システムで調べてみました。全18館で計130件の図書が見つかりました。一館平均で7.2件の図書を刊行していることになります。この内、中央図書館は48件でダントツです。二番目に多いのが、わが港北図書館の24件(1件は重複なので実質は23件)なのです。中央図書館を除いた17館では、平均4.8件になりますから、港北図書館がいかに多くの図書を作ってきたかがよく分かります。

私の関心のある郷土史関係では、『神奈川県橘樹郡案内記』『皇国地誌 横浜市港北区』『小中学生のための港北の歴史 上』『望月家文書』『郷土資料解題目録』などがあります。

しかし、こうした単館での事業は近年では少なくなっているようです。IT革命により、図書館は単に図書を閲覧する建物から、様々な情報を入手するためのセンターへと変貌しつつあります。そのためか、市立図書館も各館独自の事業から全体での事業に比重が移りつつあるように思われます。しかし、このような時代だからこそ、今後も地域に根ざしたサービスの充実を期待したいものです。

さて、この検索には引っかかりませんでしたが、区役所等が主催した地域見学会の資料なども沢山製本されています。私は、中央図書館や各区の図書館、県立図書館等にも調査に行きますが、港北図書館の郷土資料コーナーはとても充実していますし、利用しやすく配架されています。港北図書館のおかげで、記事のネタは尽きることがありません。3年目もよろしくお願いいたします。

記:平井 誠二(大倉精神文化研究所専任研究員)

(2000年12月号)

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