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大倉精神文化研究所

横浜市港北区地域の研究

第14回 記念館坂と桜の木

2017.05.15

文章の一部を参照・引用される場合は、『わがまち港北3』(『わがまち港北』出版グループ、2020年11月)を確認の上、その書誌情報を典拠として示すようお願いいたします。


 先月に続いて桜の話題をもう1つ。

 大倉山駅から大倉山記念館に向かう記念館坂の線路側に昭和21年頃、戦地から復員してきた青年たちが復興を願って桜の木を植えました。長い年月を経て大木に成長したソメイヨシノの満開の花を大倉山駅のホームで眺めながら、毎年春を感じていた方もおられるでしょう。

 しかし、老木になった桜は幹の腐朽などで倒木の恐れがあることから、平成26年(2014)から昨年(2016)までの間に1本を残して伐採され、新たにコヒガンザクラが植えられました。

 そして最後の1本となったソメイヨシノも、とうとう伐採されることになりました。その幹には桜への感謝や伐採を惜しむ言葉が添えられていました。420日から数日にわたる伐採後、跡地にはヤマザクラが植えられました。ちなみにコヒガンザクラは記念館坂と大倉山駅の間にある柵の坂道側に、ヤマザクラは駅側に植えられています。これは坂道側が横浜市、駅側が東急とそれぞれ桜の管理者が異なっているためです。

 新たに植えられた桜たちは今、鮮やかな緑の葉を茂らせています。まだ幹が細くて少し頼りなげですが、次第に成長していく桜たちが織りなす景色がまた大倉山の春の風物詩になっていくのでしょう。(H.H)

(2017年5月号)

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