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大倉精神文化研究所

横浜市港北区地域の研究

第18回  大豆戸の「大」はなんですか?─地名のナゾ、その1─

2017.09.15

文章の一部を参照・引用される場合は、『わがまち港北3』(『わがまち港北』出版グループ、2020年11月)を確認の上、その書誌情報を典拠として示すようお願いいたします。


 皆さん、地名の「大豆戸」が読めますか? 全国で配布されている『郵便番号簿』の本で、使い方のページを見ると、難読地名の例としてなんと大豆戸町と師岡町が掲げられていて、それぞれマメドチョウ、モロオカチョウとルビが振ってあります。

 大豆と書けば、普通はダイズとかオオマメと読みます。なぜそれをマメと読ませるのでしょうか。

 ダイズは比較的小さな豆ですが、豆の王様とも言われており、大いなる豆、大切な豆という意味から中国で大豆と名付けられたのだそうです。朝鮮半島を経由して入ってきた大豆ですが、味噌や醤油、豆腐や納豆の原料として日本人にとって最もなじみ深い豆になりましたから、単にマメと言えば大豆を指すこともあるのです。

 日本の地名表記は、716年に元明天皇が縁起の良い文字を使うように定めたことから、その伝統が今でも続いています。大豆戸は、マメドの読みが先にあり、マメに漢字をあてる時に、豆や小豆ではなく、縁起の良い大の字がついた大豆と表記したものと思われます。

 では、マメドの語源は何でしょうか。その謎は次回に。(S.H)

(2017年9月号)

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