第50回 夏越の大祓・茅の輪くぐりと妖怪アマビエ
- 2020.06.15
文章の一部を参照・引用される場合は、『わがまち港北3』(『わがまち港北』出版グループ、2020年11月)を確認の上、その書誌情報を典拠として示すようお願いいたします。
多くの神社では、毎年6月30日に行う夏越の大祓(なごしのおおはらえ)で茅の輪(ちのわ)が設置されます。夏越の大祓は暑い夏を前に罪や汚れを祓い、残る半年の無病息災を祈願する神事です。茅の輪はその儀式に用いられるもので、茅の輪をくぐることで心身が清められ、災厄から免れることができるとされています。
菊名神社では新型コロナウイルス感染症の終息を願い、通常より1ヶ月早く茅の輪が設置されました。菊名神社での茅の輪の設置は8月末までで、脇にはくぐり方の説明もあり、どなたでもくぐることが出来ます。
師岡熊野神社や篠原八幡神社などでも、夏越の大祓で茅の輪が置かれます。感染症・熱中症対策をしっかりしたうえで、茅の輪をくぐりに行くのはいかがでしょうか。
「水無月祓」ともいわれる夏越の大祓に合わせて食べられる「水無月」という和菓子があります。和菓子店の大倉山青柳でも販売していますが、青柳では「緊急特別菓子」と銘打って妖怪アマビエを模った上生菓子も売っています。アマビエは半人半魚の光り輝く姿で海から現れ、豊作と疫病の流行を予言し、病が流行したら自分の姿を描いて人々に見せるよう告げたとされています。青柳のアマビエ(『わがまち港北3』285頁掲載写真参照)は食べるのが惜しくなるような愛くるしい見た目をしていますが、無病息災と悪疫退散を願いながら筆者も美味しく頂きました。
新型コロナウイルスは私たちの生活にまだまだ暗い影を落としています。これからの「大好き!大倉山」に明るく楽しい話題、思わず出かけたくなるような地域のスポットをたくさん紹介出来る日常が早く戻りますように。
付記
2016年4月から始まった「大好き!大倉山」は、このたび連載開始から50回の節目を迎えました。筆者は産休・育休を挟んでしばらく執筆をお休みしていましたが、今回より復帰します。どうぞよろしくお願いいたします。(H.H)
(2020年6月号)